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月が紅いワケ ◆B7YMyBDZCU 【月が紅い理由――教えてやるよ】 右腕は動く。 彼が意識を回復してから真っ先に行った行動。無言で右腕を掲げる。 頭が暗い闇の底に眠っているみたいだ、思考機能が現実に追い付いていない。 廃墟の空間、何も生物らしさを感じない其処で彼は腰を下ろし壁に背を。 聖杯戦争――聞いたこともなければ見たこともない。嘘か本当かのお伽話だ。 願いが叶うなんて迷信や伝説、過去に残された歴史だけに許されている褒美と来たもんだ。 どんな状況や境遇でも有り得ない摩訶不思議な現象を餌に人間を釣る存在の思考は理解出来ない。 「……」 人間を釣る。その人間には勿論自分も含まれている。 彼は人間だ、人間である。外野が騒ごうが彼は人間で在り続ける。 その脳は無傷。寄生などされておらず思考、意思、想いは彼だけのモノ。 右腕を揺らす。 その行動に別段意味は無く、問いかけるように右に左に揺らし続ける。 ……。 返答は無い。 そう――返答は無いのだ。 右腕を揺らすその行為に対する反射が返答。彼は何を求めているのか。 返答だなんて。まるで右腕を生物のように思っているのだろうか。 返答が無いならば仕方が無い。返ってこないならば、仕方が無い。 この状況を理解しようと本能が働き始める。 身体に傷はない。 最後に見た光景は夜空を不気味に飾る紅い月。 物珍しさに空を眺めていた、そんなある日に突然、意識が、彼が消えた。 その姿は世界から消え去り召されるは異形の地。聞くも見るも全てが初の感覚。 記憶の糸を辿るも出てくる情報は砕かれた欠片であり把握には繋がらない。 此処はどこだ、それは東京だ。之はなんだ、聖杯戦争だ。記憶に刷り込まれている。 だが重要なのは違う、何故、自分は此処にいるのか、何故、聖杯戦争に――。 ドクン。 ……? 突然跳ね上がる心臓。前触れもなく、息をするように。 それは分類するならば反射的な直感。本能が告げるのだ、考えるよりも早く。 此処はキケンだ、と。 辺りは夜だ。否定するなど不可能であり決定付けられている。 視界は朧げながらも目の前に立っている異質な存在を捉えているのだ。 背けたいその存在は視界に立っている、背けたくても引き寄せられてしまう。 悪の美学――とでも言えばいいのだろうか。目の前の存在は紛れも無く社会に必要ない存在に見えるのだ。 彼はその男を知っているわけでもなく、初対面。素性も何もかもが不明。 完全なる第一印象で判断をしているが感じ取れる空気は穏やかではない。 その空気は鋭い、それもシャープではなく暗く、己の満足のために他者を斬り裂くナイフのように。 男の髪は白、サングラスの奥に潜む瞳は獣のように餓えていた。 血生臭く、初対面でも解る。 この男は屑だ、人間を何人も殺している、と。 「なーに見てんだよガキ、状況も飲み込めねぇのか」 退屈そうに呟くと男は指を鳴らし始める。 その言葉を聞いた男、泉新一は吹き返したように息をした。 止まっていた、目の前の男に気付いてから彼の時は止まっていたのだ。 視界に捉えた瞬間から襲いかかったのは恐怖、その領域は生物が本能的に察知する。 この男から感じる恐怖はまるで寄生の――。 「おいおい、こっちはよぉ。ったく……有り得ねぇ」 泉新一が言葉を紡げない中、対する男は独り言のように言葉を吐く。 「なんだこの身体は? 水銀の糞野郎も満足して逝っちまったんじゃねぇのか、メルクリウス。 だったら俺は可怪しいよなぁ、【なんで俺はこんな事になってんだ】。しかもアサシン、何だコイツぁ」 水銀、メルクリウス。聞こえてくるのは恐らく固有名詞の類。 しかしそれらの断片は流れて行き、身体に刻まれる情報は無い。 鼓動が早い、本能が告げている、逃げろ、と。ならば――。 「お前は……誰だ」 不思議だ。 今は冷静になっている、心が、心臓が。危険な状況でも落ち着き始めた。 慣れた。 今は冷静になっている、心が、心臓が。危険な状況でも落ち着き始めた。 慣れてしまった。 今は冷静になっている、心が、心臓が。危険な状況でも落ち着き始めた。 「んなことも解んねぇのかよぉ、見れば解んだろ」 問に正答を送るワケでも無く、男は邪悪な笑みを一瞬浮かべると再度言葉を吐く。 「ガキ、俺はお前なんてどうでもいい。死んだって困らねぇんだよ。 マスターなんていらねぇ、俺に首輪を嵌めるたぁテメェ如きじゃ無理だ。 此処で遊ぶのも悪くはねぇけどよぉ。裏で語り部気取ってる奴が気に入らねえ」 男の表情から怒りを感じる。 しかしそれは野蛮な物ではなく、ある程度諦めているような、受け入れてる部類。 心当たりでもあるのだろうか。この男は何を言いたいんだ、全く解らない。 「お前は何なんだ……?」 「俺かぁ? 知りたいんなら黙って教科書でも読んで来いよ英霊様の御前だぞッてァ!」 世界は思ったよりも未知に溢れている。 その未知に触れると新しい道が広がる、迷惑な話だ。 現に目の前の男の蹴りを腹に受けた泉新一は後方に飛ばされ汚く転がった。 受け身も取れずに転がる泉新一は適当な所で立ち上がり男を見る。 不意を突かれた一撃は躱せなかった、不意じゃなくても躱せるか怪しい。 呼吸を整えながら男を見つめる、視界から外せば此方が死ぬ。 「これでちったぁ目、覚したか? 俺が目の前に立ってんのに黙ってたからよォ、目覚まし代わりの一発だ」 男の発言で気付く。【最初からこの男は近くに立っていた】のだ、と。 其れは突然の出来事で脳が働かなかったのか。本能が認識する事を避けた結果なのか。 何方にせよ気付かなかった方が幸せだったのだろう。出会い頭に蹴りを入れる男だ。 マトモな生物じゃあない、関われば関わる程自分の身が危険になっていく。 生物。 この男は同じ人間だろうか。その見た目は人間と変わらない。 だが見た目は同じでも中身が違えばそれは異形の怪物だ。 泉新一は知っている。 人間社会に潜む、器に寄生している生物を彼は知っている。 しかし目の前の男からは無機質を感じないのだ。彼が知っている闇とは違う。 男はまだ感情があるように振舞っている、ならば。 「――サーヴァント、か」 「気に喰わねぇんだ、ソレ」 聖杯戦争の情報が脳に響き始めた。そうだ、泉新一、彼は聖杯戦争に参加した。 それは真意か本意か不本意か。本人にしか解らない。 戦争は一人で行わず、従者が存在する。 「じゃあお前が俺の……」 「気に喰わねぇって言ってんだろガキィ」 サーヴァントなのか。言葉を言い終える前に泉新一は外に出ていた。 彼がいたのは廃墟の内部、気付けば男に胸倉を捕まれ放り投げられていた。 片手で青年を放り投げる腕力は人間の領域では不可能だ、これで決定だろう。 目の前の男は相棒【パートナー】だ。 望んで参加しているワケではない戦争に選ばれた相棒は社会に適合出来ない獣。 黙って檻に入るなり自然に帰るなり……愚痴を零したくなる。 泉新一は着地と共に迫ってくる男の拳を左腕を使い軌道を逸らす。 そのまま腹に膝蹴りを放つも男は軽々と掌で受け止めた。 「喧嘩はしたことあんのか、でもよ……退屈だぜ」 男は掌に少し力を加える。泉新一の顔には苦痛の表情が浮かび上がった。 粉砕だ。彼の膝が粉砕せんと壓力を掛けられている。 「ッあああああああああああああああああああ」 叫びと共に渾身の力を振るい足を大地に突き刺すように降ろす。之により男の掌から解放。 そのまま勢いに任せ右腕の一撃を男の顔面へ、動作に隙も無ければ迷いも誤差も無い。 本能から繰り出された一撃は相手に悟られること無く吸い込まれ――。 「もうちっと樂しませてくれやァ!」 待ち構えていたのは顔面ではなく繰り出された拳。 不意を突いた一撃と確信していたが、男は一撃に合せ拳を重ねてきた。 本能による一撃ならばより獣に近い相手の方が上手。珠戦闘における経験では泉新一よりも男が上回っているのだ。 泉新一と男の拳、互いに衝突し鬩ぎ合う、事もなく泉新一が押し負け数歩後退する。 弾かれたように鑪を踏みながらも体勢を整えようと踏ん張るが男は刹那も待つつもりはない。 踏み込み何て要らない、力任せに再度拳を放つ。 「――あァ?」 風が舞う、屋外に自然とは別の異質な風が男の白貌を掠り取る。 この場には泉新一と男しか存在しなく彼らを邪魔する者など本来登場することは有り得ない。 ありきたりの筋書きに現れるは役者だ、それも特殊で特異な右腕。 『何をしているんだシンイチ』 名をミギ―。 泉新一の右腕に寄生した虐殺器官《パラサイト》。 その姿を異形で鋭利な刃物に変貌させ男のサングラスを削ぎ落した。 「カハッ、クク、そうかい。人間じゃねぇってか? 俺を下僕にすんだ、隠してんモン全部吐きだせやァ!」 ミギ―に落とされたサングラスを自ら踏みつけ笑う男。 その笑い声に品など欠片も持ち併せず与える印象は不快そのもの。 『シンイチ、私にも聖杯戦争の概要の知識がある。つまりあの男が君のサーヴァントか』 「ああ……信じられないけど、な」 『解っているとは思うが君はあのサーヴァントには勝てない。規格外の存在だぞ』 「解っている、こんな状況でも心は落ち着く」 冷静さはある。だが全てが事態に追いついているかと言えば嘘になってしまう。 結果としてこの状況に対する打開策など見つからず、そもそも打開など出来るのか。 圧倒的自力の差、サーヴァントは人間に太刀打ち出来る存在では無いのだ。 無論、右腕に寄生生物を宿している泉新一でさえ目の前の男には遠く及ばない。 戦うだけ無駄だ、勝ち目など最初から存在していない。勝利へ辿り着く因子が不足している。 それに泉新一と男は主従の関係だ。命を殺り合う関係ではなく味方。 仲良しごっこで手を取り合う方がまだ好ましい。 「此処は城じゃねぇ、転生だの何だのあるだろうが俺にはどうでもいいんだ。 テメェの右腕がキモかろうと、テメェ自身が怪物でも関係ねえ。 でもよぉ……俺をこんな場所に招いたんなら樂しませろ。せめてもの、って奴だ」 男は言葉から察するに快楽を求めているらしい。その部類は自己満足、推定するに戦闘だろうか。 彼が言う城とは不明だがサーヴァントとして限界しているには不服があるようだ。 願いを叶える機会だと言うのに。 「……願いが、叶う?」 泉新一の脳内に齟齬が発生する。言葉と記憶と情報が反発しあう。 願いが叶う、紅い月、聖杯戦争。そうか、俺は参加していて権利を持っている。 『シンイチ、まさかとは思うが君は信じているのか?』 「い、いや。そんなワケ」 「目が泳いでるぞガキ、テメェの腹ン中にァ野心とか野望ってモンが無えのか?」 『耳を貸す必要は無いぞ、馬鹿な事は考えるな』 「俺は願いっつーか、まぁあるって事にしとくか。ソレを果たすのは俺自身だ、聖杯なんぞの出番何かありゃしねえ」 男は放つ。願いは己の手で掴み取る事象だと。 本来言葉に着飾らない彼だがその発言は英霊の志に近い。 多くの人間を殺してきた彼だが戦闘においては彼なりの美学と呼べばいいだろうか。 仲間意識も強く礼も辨えているのだ、之に関してならば彼は英霊の座に居座るだろう。 「シュライバー……テメェに言っても解ンねぇと思うけどよ、こうして存在してんだ。 ならさっさと終わらせて俺は俺のケリを付けて来る。もう一度何てくだらねぇ戯言じゃねぇ。 あの時俺は勝った、けどアイツは生きていて死んだ。だが、俺は英奴に、アイツも、だ。つまり」 男は紡ぐ。 彼は昔、シュライバーと呼ばれる気に喰わない奴が居た。 何処か似た匂いを発しその境遇も互いに血と狂気が漂う最終列車の塵箱。 底辺に溜まる社会の輪に馴染めない屍は互いを憎き殺すべき対象と見なしていた。 その狩りは他者の介入より中断、屍は黄金の獣に魅入りその忠誠を誓う。 しかし問題があった。 男の宿敵は白騎士《アルベド》の称号を手にした。男ではなく。 その力は男だって認めている、だが称号に釣り合うかは別の話であり、譲れない物がある。 幾つかの年月が過ぎた時、彼は黄金の獣に許しを受け、黒と赤の騎士から言葉を受けとり白騎士の座を争った。 その先に待っていたのは――なにも今此処で男の生前を解説しても意味は無いだろう。 泉新一に伝わるわけでもなく、彼には正直の所、男の過去などどうでもいいのだ。 事実ミギ―は男の背後から斬り掛かっていた。 「つまり、だ。俺は別に遊んでもいいけどよぉ、チンタラしてる暇は無いってワケだ。 だからよォ、テメェが俺のマスターなら足を引っ張んな。癪だがテメェが死ねば俺も消えンだよ」 『――ッ!』 背後の攻撃を振り向く事無く掴み取る男。 そのまま力を強め握り潰さんと威嚇地味た行為をする。 泉新一は走りだす。ミギ―が殺されてしまう。ならば。 廃墟の欠片を握り締め男に振るう、素手で殴るよりも数倍マシだろう。 「頭使うってのは評価してやるよ」 「う、あぁ!」 男は掴んだ右腕を振り回す。 右腕はミギ―である。しかしミギ―は泉新一の右腕である。 彼らは男の片手一つに振り回され宙を泳ぐ。止める術など無く――。 「ぐ――ッ!!」 大地に轟くは泉新一の着地音、着地の表現など生温く落下と言っても差し支えない。 痛みに表情を歪めるが黙って寝ている訳にもいかないため立ち上がる。 「俺は聖杯戦争なんて知らない、こんな所に居る必要はない!」 「だったらテメェはどうやって帰るつもりだ。 電車か? 徒歩か? 迎えでも呼ぶのか? あァ? 此処はテメェ等の東洋の島国だろ?」 『シンイチ、挑発に乗るな。今から私があの男に攻撃を加える。 その間君は少しずつ後退するんだ。そして私が合図をしたら全力で走れ、此処から離脱する』 「お前らみたいな寄生生物を俺は許さない……! お前は彼奴等と同じだ、人を殺す事に感情を持たない彼奴等とォ!!」 『シンイチ! 吠えても何も起きない』 「ガキ、テメェは思ったよりも早く死にてぇらしいな。少し眠ってろ」 その時泉新一は奇妙な事象を目撃した。 紅い月を見てから全てが奇妙だがこの瞬間は最大風速を更新する。 血だ。血の匂いが強烈に男から発せられる。 彼の身体の表面を塗り上げるように血生臭く、いや、之は血だろうか? 血に似た何かかも知れない。しかし重要な問題ではなく、男の行動事態が危険であることに変わりはない。 「ただの人間相手のタイマンにこれ使う何て普通は在り得ねえからな。 テメェの魂、俺が吸うに値したワケじゃねぇぞ。 聖杯戦争って奴を過ごす相棒になんだろ? だったら少しだけ見せてやる、涙流しとけよクソガキィッ!!」 血、血、血。 空気が軋む。 男から発せられる血の匂い、関わりたくない程の狂気。 滲み出る其れ等は生物の総てを嫌悪させ、黒い血が――爆裂するように跳ね上がった。 「これは……寄生生物?」 『いや違うぞ。私達の同類ではない。だが男の右腕の血は生きている、のか?』 人体から生えたソレは杭の形をした奇形の植物とでも呼ぼうか。 しかし葉もなければ花もなく、実もなければ樹木もなく、勿論根も存在しない。 その植物に必要なのは水でも養分でも日光でもない。 血だ。悍ましい程の狂気に彩られた黒い血、それが男の殺意の具現である牙。 「ミギ―、出来るか?」 『出来なければ死ぬ。私も君も此処で死ぬだけだ。それは望んでいないだろ?』 「お前……ごめん、な」 「どうよガキ、感想は?」 「最高に気分が悪い」 「そっちの右腕は」 『興味深いと思う。しかし近寄りたくはないな』 「そうかいそうかい、なら――」 男が何かを仕掛ける。 右腕に生えた杭を飛び道具のように泉新一へ放つ。 対処しようとするもどう防げばいいのか。しかしそんな事を考える刹那など無く。 「ッ!!」 【気付けば杭が足と大地を繋ぐように刺さっていた】 その動きを泉新一とミギ―は視界に捉えていたが反応するまでもなく攻撃を喰らった。 ミギ―は弾き返そうと行動をするも杭はその動作よりも速く泉新一の足を貫いた。 『大丈夫かシンイチ!』 安否の声に黙って首を振る。痛くないと言えば嘘になる。 だが弱音を吐いた所で目の前の男が収まることは無いだろう。 従者ならば主に従って欲しいのだが生憎野蛮な獣を引き当てたらしい。 愚痴の一つや二つ、零したくなるが言葉が出て来ない。気力が吸われるかの如く意識が遠のいて行く。 薄らと見える男の周りは更に異形と化していた。 男を中心に大地や廃棄物、コンクリート。総てが消えて行く。 その現象は枯渇。男に生えた杭は総てを吸い尽くす邪悪の樹。 名を闇の賜物《クリフォト・バチカル》英霊として派生された世界で語り継がれるヴラド三世の結晶化した血液。 吸血鬼伝説を語る代名詞の血はその性質も吸血鬼のように総てを吸い尽くす邪悪の樹。 泉新一の足に刺さっている杭も例外なく同一の存在であり彼の生気を吸い付くさんと吸収している。 「ミ、ミギ―……コイツを頼む」 気絶寸前にまで追い込まれている泉新一は右腕に声を掛ける。 この杭が犯人ならば。除外すれば彼は何一つ吸われないで済むだろう。 無論一度開いた穴。杭を除外すれば大量の血が流れることになるだろうが構っている場合ではない。 「カハッ! まだ意識あンのか、少しは骨見せてくれるじゃねぇか。 いいぜ、鞘替えは待ってやるよ。テメェが目を覚ましたらそっからはお樂しみの聖杯戦争だ。 お前が何を願うかは自由だけどよォ、俺の邪魔だけはするな。したらテメェの存在ごと消すぞ」 男は泉新一を生かすらしい。そもそも彼が死ねばサーヴァントである男も消えるためその行動を実行することは不可能に近い。 【しかし男には例外のルールがあるのは別の話】 認める段階まではいかないがそのタフさは少しだけ評価してやる。そう言い放った。 『今から杭を抜く、踏ん張れよシンイチ』 ミギ―は身体を延ばし杭を抜かんと触れる。 『私まで吸おうと言うのか……ッ』 杭が総てを吸い尽くすならば。寄生生物であるミギ―も例外ではない。 時間を掛ければ掛けるだけ泉新一とミギ―の生気は杭に吸われ尽くされ男の糧となる。 「お前は……何がしたいんだ」 「決まってんだろ、勝つんだよ」 「勝つ……? そのためなら人間を殺したっていいのかよ、なぁ!? 何が聖杯戦争だ、どうせお前らみたいな糞野郎共を満足させるためだけのくだらない宴なんだろ!」 泉新一の言葉は八つ当たりに近い。 何故自分だけ毎回面倒事に巻き込まれるのか。平穏な世界から離れるのか。 右腕も、クラスメイトも、母親も、あの子も、人間も、全部、全部、どうして離れていくのか。 自分が何をしたんだ、何がいけない、この状況を招いたのは自分じゃない。 見ているか聖杯。お前に願いを叶える力があるなら応えてみせろ。 「紅い月を見た奴は月に招かれて願いが叶うんだろ!? ならやってみろよ! 此処は月、あの時俺が目撃した紅い月なら! 今すぐ俺を開放して、総てを元に戻して帰ろせろォ!!」 魂の叫び。 何一つ飾っていない本心からの叫び。 聖杯が願いを叶える願望器ならば総てを元に戻せ。 この身体も、母親も、日常も、何もかも総てを。 ミギ―との別れに感情を抱かないと言ったら嘘になる、それでも。 「クク、ハハハハハハハハ!!」 聖杯は何一つ応えるこなく、変わりに答えるは男の笑い声。 面白い事があったのだろうか。泉新一の叫びにコメディなど欠片も無い筈だが。 男は笑う、これ程笑う必要が在るのか。そう思える程に。 「ガキ、テメェは今【紅い月】って言ったよな? 【紅い月】って言ったよな」 男は笑いを終えると挑発するように尋ねる、紅い月、と。 泉新一は何が面白いか理解出来ない、しかし紅い月は事実であり彼は月を見てからこの場に招かれた。 否定出来ない事実であり無言で首を縦に振る。この時ミギ―が足に刺さっていた杭を抜き彼らは平常に戻る。 「真ん丸輝く御月様が願いを叶えるってかァ! コイツは傑作だ、あぁ、やべぇな、おい。 いいねぇ、俺の夜はまだ終わらないってことか。こんなくだらねぇ場所に呼ばれた時はクソと思ったけどよォ。 その言い伝え……それに英霊ってのは考えりゃワケの解かんねえ奴もゴロゴロ居んだろ? ガキ、テメェの命は更に伸びた」 男は返答も待たずに勝手に独り、まるで歓喜に浸るように空を仰ぐ。 聖杯戦争を。彼の発言で表わすならば樂しむ事に決めたのだろうか。 しかし長引くことは泉新一にとっては迷惑以外の何者でも無く、願い下げである。 「いいぜ、だったら見せてやる。 出血大サービスって奴だガキ。涙流して感激しろよ、なぁ」 テメェが今から見る夜は俺だけの夜、カズィクル・ベイの――夜だ」 そう呟いた男――カズィクル・ベイから杭の時と同じように感じたくもない空気が発せられる。 その言葉の真意は不明、吐き終えると同時に静かになったのが印象に残る。まるで嵐の前兆だ。 「コイツ、狂ってる……何を言ってるんだ」 『今更かシンイチ、だがどうする。君の命は伸びたらしいがあのベイと名乗った男は何かするぞ』 命を伸ばす、この発言を捉えるならば死なない事と同意義だろうか。 少なくともベイが聖杯戦争を樂しむならば魔力の供給源となる泉新一を殺す事はないだろう。 「お前、何をするつもりだ」 「言ったろ、俺だけの夜を見せてやるって。ただの人間風情が俺の気まぐれとはいえ薔薇の夜を拝めるんだ、死ぬまで持ってけ」 『――! シンイチ、その男から離れろ!』 泉新一が答えを聞くよりも速く。 ミギ―が移動を促すよりも速く。 カズィクル・ベイはこの世界を己の夜に塗り潰す。 「遅え―― ――月が紅い理由―― ――教えてやるよ」 総てが遅く、総てが運悪く、総てが因果の元へ。 ベイから放たれる殺気は鬼の如く、泉新一がこれまで相手にしてきた総ての虐殺器官を凌駕する。 そしてこれから紡がれる言葉は夜に羽ばたく悪への階段。 「Wo war ich schon einmal und war so selig かつてどこかでこれほど幸福だったことがあるだろうか」 聞こえる言葉はドイツの物、泉新一には聞き慣れない言葉だ。 その意味を理解することは彼に出来ない、出来ることはただ聞くだけ。 気になるとすれば【月が紅いワケ】だ。ベイは今から何を行うと言うのか。 ミギ―は逃げろと言った。その言葉は解る。此処は危険だ。しかし。何故だろう――足が動かない。 「Wie du warst! Wie du bist! Das weis niemand,das ahnt keiner! あなたは素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない」 気のせいだろうか。 疲れの影響からか一瞬だけ。ほんの一瞬だけ夜が暗く見えた。 夜だから暗いの当たり前だ、それを差し引いても泉新一の瞳には夜が深く見えた。 「Ich war ein Bub . da hab ich die noch nicht gekannt. 幼い私はまだあなたを知らなかった Wer bin denn ich? Wie komm denn ich zu ihr? Wie kommt denn sie zu mir? いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう War ich kein Mann,die Sinne mochten mir vergeh n. もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい Das ist ein seliger Augenblick,den will ich nie vergessen bis an meinen Tod. 何よりも幸福なこの瞬間――私は死しても決して忘れはしないだろうから」 泉新一は黙ってカズィクル・ベイの謡を聞く。 思考を停止している訳ではない。 『シンイチ! 聞こえているのか、シンイチ!』 しかしミギ―の声は彼の耳には届かない。総てが遠く感じるのだ。 その答えは簡単だ。この夜はあの杭と同じく総てを吸い尽くす闇の夜だから。 この夜の主役はカズィクル・ベイだ。 聖杯戦争だろうがこの夜の時だけ、彼以外の存在は総て脇役に成り下がる。 之が世界、彼が望む深淵の闇、憧れ、己が法で世界を塗り潰さんと溢れ出る渇望。 「Sophie,Welken Sie ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ Show a Corpse 死骸を晒せ」 更に夜が深くなる。 鼓動する夜気、揺らめく闇夜。 総てを包み込む夜から感じるのは暖かい光ではなく冷たい闇。 「Es ist was kommen und ist was g schenn,ich mocht Sie fragen 何かが訪れ 何かが起こった 私はあなたに問いを投げたい Darf s denn sein? ich mocht sie fragen warum zittert was in mir? 本当にこれでよいのか 私は何か過ちを犯していないか Sophie,und seh nur dich und spur nur dich 恋人よ 私はあなただけを見 あなただけを感じよう Sophie,und weis von nichts als nur dich hab ich lieb 私の愛で朽ちるあなたを 私だけが知っているから」 言葉が進む度に夜が深くなる。 泉新一は思う、之はゲームや漫画で言う所の詠唱なのだろう。 ならば終わる前に止めたいが、既に彼の力は先程の杭に吸い尽くされている。 黙ってベイの夜が訪れるのを待つしか出来ないのだ。 だがミギ―はまだ動ける。 この状況でベイを放置するのは危険過ぎる。 その触手を刃物に変え彼の首を斬り落とさんと猛威に動き始める。 「Sophie, Welken Sie ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」 ――もう終わるから黙ってろや。 ベイは刃を掌で抑えこむと最後の言葉を紡ぐ。 「Briah――Der Rosenkavalier Schwarzwald 創造――死森の薔薇騎士」 紡がれた呪言は世界を奈落へと誘う彼の叫び。 夜に夜を重ねる世界で誰も感じたことのない深淵。 総てが軋む、歪み、吸い尽くされ主たるベイを祝福する。 『遅かったか……』 「ククク、ハハハハハハハハハハハ! どうだコイツが俺の世界、総てを吸い尽くす薔薇の夜だ」 之が世界、総てを吸い尽くすのが世界の理と成り果てたベイの渇望。 夜が主役、夜に英雄となる吸血鬼、その力を今此処に具現化した。 夜を更に夜で重ねた闇、不快の塊である世界が総てを包み込む。 呆気に取られる泉新一、総てが規格外過ぎる。 戦力も、理も、世界も。どれも人間や寄生生物にさえ出来ない技だ。 之がサーヴァント、カズィクル・ベイの能力だと言うのか。 「感激して声も出ねぇのか? なら上を見てみろよ、なぁ――アレ、何だか解るか?」 ベイに促されるまま泉新一は空を見上げる。そして世界の闇を垣間見るのだ。 之は何だ、何だ、何だ。何がどうなっている。 総てを吸い尽くす薔薇の夜。ならば空に浮かび上がるアレは何だ。誰か説明してくれ。 聖杯戦争――招かれた嘘か本当か解らない謎の宴。正直な話、信じる方が難しい。 それでも願いを叶える権利は魅力的であり、日常を懐かしむ泉新一にとっては唯一無二の機会だった。 他人を殺す事など、人間を殺す事など彼には出来ない。それでも夢を見るに値する。 「あ、あぁ……ああああああああああああああああああああああ」 叫ぶ泉新一、笑うカズィクル・ベイ。 この夜の主役は主である人間ではない。支配するカズィクル・ベイだ。 故に総てがベイのために動いており、この状況でさえ薔薇の夜は泉新一とミギ―の総てを吸っている。 其処に追い打ちを掛けるように空で笑う月が一つ。紅く染め上げ夜を彩る月が一つ。 「どうだ、ガキ。テメェが言ってた紅い月だぜ? 感動して叫ぶことしか出来ねえのか? ってああ、そうだそうだ。お前さっき言ったよな? 紅い月が願いを叶えてくれるって。 で、どうだ? 叶ったか? テメェの願いは叶ったか? なぁ教えてくれよォ。気になんだよ。 なァマスター、聞こえってっか? 紅い月は願いを叶えて――ハハッ、アハハハハハハハハハハハ!!」 空に浮かぶは紅い月。都市伝説の紅い月。総てを叶える紅い月。 この月は誰が用意した。男だ。この男だ。カズィクル・ベイだ。 ベイは願いを叶えるのか。到底思えない。なら誰が願いを叶えるのか。それが聖杯。 ならば聖杯とは何だ。誰か教えてくれ。俺の希望を砕かないでくれ。助けてくれミギ―。俺はどうしたらいい。 誰も泉新一の問に答える事は無く、ミギ―もただ無言で状況を受け入れるしかなかった。 闇に響くは主であるカズィクル・ベイの笑い声。 主以外の総ての存在が絶望する中、泉新一の聖杯戦争が始まった。 【マスター】 泉新一@寄生獣 【マスターとしての願い】 ―― 【weapon】 ―― 【能力・技能】 右腕にミギ―と呼ぶ寄生生物を宿している。姿を鋭利な刃物に変質させ総てを斬り裂く。 また寄生された影響からか泉新一の身体能力はオリンピック選手を遥かに凌駕する。 【人物背景】 普通の学生だった彼はある日寄生生物が自分の右腕に侵入したことに気付き必死で抵抗を行った。 夢だと思っていが現実であり彼の右腕は寄生生物と同一となり名をミギ―として不本意ながら相棒となった。 生活していく中で世の中に寄生生物が潜んでいる闇を体験していき彼自身もまた戦闘に巻き込まれる。 その中で人間が死んで行き彼の母親も寄生生物に殺され、彼の心は深く、深く閉ざされていくことになる。 【方針】 ―― 【クラス】 アサシン 【真名】 ヴィルヘルム・エーレンブルク@Dies irae -Acta est Fabula- 【パラメーター】 筋力B 耐久B 敏捷C 魔力C+ 幸運E- 宝具A+ 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 気配遮断:D サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解ける。 【保有スキル】 エイヴィヒカイト:A 人の魂を糧に強大な力を得る超人錬成法をその身に施した存在。 本来ならばこの存在を殺せるのは聖遺物の攻撃のみだが聖杯戦争では宝具となっており、彼を殺すには宝具の一撃が必要となる。 また、喰った魂の数だけ命の再生能力があるが制限されており、魔力消費を伴う超再生としてスキルに反映された。 A段階に達すると己の渇望で世界を創造する域となる。 直感:B つねに自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。 視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。 戦闘続行:A 呪い:A ある人物から彼の二つ名である魔名と共に送られたもの。 その内容は「望んだ相手を取り逃がす」 本人が望めば望むほど、その相手は横槍などにより理不尽に奪われていく。 【宝具】 『闇の賜物(クリフォト・バチカル)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:1 エイヴィヒカイトの第二位階「形成」に届いた者にしか具現化出来ない物 彼の其れは『串刺公(カズィクル・ベイ)』の異名を持つワラキア領主、ヴラド三世の結晶化した血液が素体。 能力は 「血液にも似た赤黒い色の杭を全身から発生させる」。 この杭は、突き刺した対象の魂や血を吸収し、所有者に還元する効力を持っている。 飛び道具、武具、空中での移動など様々な用途に応用出来る。 この聖遺物との親和性は他のエイヴィヒカイトとは群を抜いている。 クリフォトとはカバラの『生命の樹』と対をなす『邪悪の樹』の名であり、バチカルはその最下層を示す。 『死森の薔薇騎士(ローゼンカヴァリエ・シュヴァルツヴァルド)』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000 エイヴィヒカイトの第三位階、自身の渇望の具現たる「創造」能力。 元となった渇望は 「夜に無敵となる吸血鬼になりたい 」 。発現した能力は「術者を吸血鬼に変えて、周囲の空間を夜へと染め上げ、効果範囲内に存在する人間から力を吸い取る」こと。 渇望通り、吸血鬼と化して人間から精気を吸い上げる能力である。 発動すると周囲一帯が固有結界に似た空間に取り込まれ、例え昼であっても強制的に夜へと変わる。もっとも、夜時間帯に重ねがけした方が効力は格段に上がる。 この「夜」に居る人間は全て例外なく生命力をはじめとした力を吸い取られ、奪われた力の分、 この空間の主である吸い尽くした力を己の糧とし、それを抜いても己のを強化する。また、夜空には紅い月が浮かび上がる。 相手を弱体化させ己を強化し続ける卑怯な理だが弱点として【吸血鬼の弱点ソノモノが彼の弱点となる】 『???』 ランク:? 種別:? レンジ:? 最大捕捉:? 彼の中に眠るナニカ。性別、数――総てが不明。 【人物背景】 聖槍十三騎士団第四位、ヴィルヘルム・エーレンブルグ=カズィクル・ベイ。白髪白面のアルビノの男。 その体は日光を始めとした光全般に弱く昼はほとんど出歩かないが、逆に夜の間には感覚が鋭敏になるという吸血鬼じみた体質を持ち、 それを自らのアイデンティティとしている。戦闘狂であり彼の歩んできた道には屍の山が築かれている。 元は貧困街の出身であり父と姉の近親相姦で生まれ、「自分のちが汚れているならば取り替えればいい」と感じる。 その後彼は親を殺しこれまでの人生とは別に暴力に溢れた生活を送るようになる。 其処で遭遇したのが白き狂犬、其処で出会ったのが黄金の獣。そして彼の人生は世界の因子に成り得る奇妙な物語に巻き込まれる。 なお、仲間意識は強く同じ騎士団の仲間を家族のように思っている。 【願い】 樂しんで城へ帰還する。
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楠リッカ&ライダー ◆zzpohGTsas ライダーのサーヴァントは酷くウンザリしていた。この聖杯戦争を切り抜けて行く上で、重視しなければならない相棒となるマスター。 そのマスターと言うのが―――――――――――――― 「やっぱりさ、VAVA。あなた絶対に、神機を搭載した方が良いって。強くなってさ、私達の所に来ない? ぜっっっったい、装備した方が良いってVAVA!! あ、それとも、神機って何か知りたい? あー、説明してなくちゃどう言うのか受け入れられないよね、ごめんね。 神機ってのはね、私達の世界にいる『アラガミ』って言う化物を殺す一種の生体兵器でさ、この神機一つあれば、近接戦闘も遠距離での砲撃も、緊急時の防御行動も全部――――」 この調子なのである。自分がもしもレプリロイドでなく人間であったなら、深い深い溜息を吐けていただろう。 そして令呪などと言う七面倒な代物がなければ、肩のキャノンを発射して、マスターの顔面を果物の如く粉砕させていたに違いない。 時刻は夜だった。某都の市内にある、無人の工場。其処に彼らはいた。 一人は、横に並べられた鉄骨の上に腰を下ろす、全体的に人の形をしたロボットであった。 特徴的な姿である。頭に相当する部分は、古代の戦士が身に付けた兜・バルビュータに似ており、顔面部にT字状のバイザーシールドが取りつけられている。 額には何かの象徴か、『V』の文字がプリントアウトされていた。 自分はロボットである、と言う事がこれ以上となく伝わりやすいデザインだ。その象徴が、彼の右肩に装備された鋼色に輝くキャノン砲だ。 連結した金属薬莢を外部に露出させているその姿は、傍目から見たら、人を殺す為に生まれてきたヒューマノイドとしか映らないであろう。 彼のサーヴァントのクラスは、ライダー。そしてその真名こそは、VAVA。 他を隔絶する性能を誇る特A級ハンターに比肩するカタログスペックを持ちながら、その圧倒的な火力に任せた戦法で敵味方に多大な被害を与え続ける、 イレギュラースレスレとまで言われたレプリロイドだ。 一方で、VAVAの正面で必死に何かを語りかける少女が、彼のマスターだった。 少し煤けた銀髪にゴーグル、タンクトップにオーバーオールと、装いだけを見れば完全にブルーカラー。 しかも工業系の仕事に従事する人間だ。顔に残る、オイルの擦れた跡が更にそのイメージを助長させる。 事実彼女は、工業系の作業を生業とする人間だった。突如として地球に姿を現した、オラクル細胞からなる生命体、アラガミ。 アラガミを倒す為の現状唯一の手段とも言うべき神機を整備する整備士。フェンリル極東支部神機整備班、『楠リッカ』。彼女の名前である。 当初このマスターを見た時、VAVAは内心で当たりを引いたと思った。 VAVAは生身の人間でもなければ、そもそも有機生命体ですらない。金属と回路によって構成されたレプリロイドなのである。 聖杯戦争に臨むにあたって、知識は多少齧って来た。だからこそ、眉唾物なのである。自らのこの機械の身体が傷を負った際、魔術的な方法で治癒出来るのかがだ。 そんな時に彼が引き当てたマスターが、一目見てわかるメカニックだ。これならば信頼出来るかも知れない。 魔術と言う、未だ実在するかどうか疑わしい物に頼るよりかは、VAVAも良く知る実在の技術の方が、と思ったのだ。 リッカは恐らく、この聖杯戦争へと、訳も分からず招聘されていたのだろう。VAVAを初めて見た時のリッカは、酷い混乱状態に陥っていた。 仕方なく彼女を落ち着かせ、何故呼び出されたのか、そして聖杯戦争について説明した途端である。 彼女は突如として饒舌になり始めた。VAVAはリッカの話す言葉には微塵も興味ないが、それでも、全く聞いていなかった訳ではない。要約すると、こう言う事だ。 曰く、リッカの世界には神機なる武装兵器があると言う事。 適正こそ必要であるが、馴染んでしまえば己の半身とも言うべき唯一無二の相棒になると言う事。 自分達のいた世界では、アラガミと言う、如何なる動物、如何なる物体、如何なる兵器をも『捕食』し、その性質を引き継いでしまうと言う厄介な化物がいると言う事。 ――そして、サーヴァントであるVAVAを、自分が所属するフェンリル極東支部に案内したい、と言う事。 怒るよりも呆れるしかない。特殊なウィルスに感染した訳でもなければ、Σに引き抜かれた訳でもない。 生れついての回路異常により、所構わず暴れ回り、そして自らの意思でイレギュラーとなったこのVAVAを、よりにもよって引き抜きである。 余程分厚い面の皮を持っているか、馬鹿かのどちらかだ。 終始神機の良さとスカウトを、水車が回るように口にするリッカだったが、流石に埒が明かない。 「おい」 低く、恫喝するようにVAVAが短く告げる。リッカの言葉が、止まった。 「簡潔に答えてやる。俺はお前らの下らないバケモノ退治に加わるのは御免なんだよ。素直に折れろ」 「く、下らないって――!!」 リッカの表情が険しい物となる。 アラガミなる存在が如何なる者なのかはVAVAには解らないが、そのアラガミとの戦いは、リッカ達の世界の住人にとっては、馬鹿に出来ない重要な事柄であるようだ。 しかしそんな事お構いなしと言わんばかりに、VAVAは言葉を続ける。 「それにな、フェンリルだか何だかしらねぇが、今からどうやってお前達の根城に行くんだ? オイ。解ってんだろ? 勝ち抜かなけりゃ、元の場所にすら帰れねぇんだぜ」 「っ……!!」 リッカの言葉が詰まった。最も痛い急所を突かれた顔、直視したくない現実を見せつけられた顔。それが、今のリッカの表情だった。 「いつまでも現実から逃げるな。死にたくないなら、お前は絶対に俺を使って最低一人の人間を殺さなきゃ――」 「あんたに何がわかるのよ!! このポンコツ!!」 涙声でそう叫びながら、懐のポシェットからレンチを取り出し、VAVA目掛けてリッカはブン投げる。 子供が投げたハンドボールを軽くキャッチするような容易さで、VAVAは軽く左手でそれを握る。直撃していれば、T字状のバイザーに激突していたろう。 結局、リッカが神機やらアラガミなどの話をする事は、コレが原因だった。 聖杯戦争は戦争の名前が仄めかす通り、平穏無事で終わるような甘い代物ではない。 時に圧倒的火力で相手を蹂躙し、時に権謀術数を廻らせ相手と手を取り、また必要があれば裏切り――。 人としての罪や業を集めて煮詰めたようなこの催しを行う訳は、最後の勝利者に与えられる、万能の願望器、聖杯である。 いかなる望みをも成就して見せるその聖遺物を求めて、参加者は血を流し、罪を犯すのである。最後の褒美である、望みの奇跡を引き起こす、神の杯を求めて。 VAVAは一目見て理解した。リッカは間違いなく、人殺しの経験が無いと。 VAVAでなくともそう思うだろう。目の前にいる、何処にでもいそうな普通の少女がそんな体験を経る筈がない。 この少女は、聖杯戦争を勝ち抜く上で絶対にクリアーしなければならない課題、人を殺せるか如何か、と言う最初のハードルすら越えられない人間だった。 心の片隅では理解しているのだろう。VAVAの言う通りにしなければ、聖杯戦争の為だけに用意されたこの御誂え向きの都市から出られないばかりか、逆に自分が殺されると言う現実を。 直視したくなかったのだ。その余りにも過酷で、残酷で、無慈悲な運命を。それから逃避したいが為に、VAVAに明るい口調で、元居た世界へスカウトしようとしていた。 こう言う事なのだ。 「嫌だよ私、人を殺す何て……ねぇ、何か他に手段はないの……?」 「ねぇよ。どうしても死にたくないなら、お前は生き残る必要がある。躊躇してたら、本当に共倒れ以下の結果にしかならねぇぞ」 もしも目の前にいるレプリロイドが、利己的な性格の持ち主のVAVAでなく、『X』や『ZERO』であれば、リッカの話を踏み込んで聞いてやれたかも知れない。 リッカには、人を殺したくないと主張するに足る理由があった。彼女がVAVAに対して幾度も主張していたが、彼女の世界はアラガミと呼ばれる生命体のせいで荒廃していた。 あらゆる物体を取り込むオラクル細胞と呼ばれる細胞からなるアラガミは、その特性故に通常兵器が全く通用せず、かつ取り込んだ物質の性質をラーニングすると言う性質を持つ。 このアラガミによる全人類の滅亡を防ぎつつ、アラガミの掃討を行うと言う目的の為、神機と呼ばれるガジェットを操る神機使いを集め、アラガミに立ち向かう組織。それが、フェンリルなのである。 そう言った組織で、神機の整備を務めると言う形で勤めている都合上、リッカは大なり小なりの内情に精通していた。 そも、神機と呼ばれる兵器自体が、人為的に調整された、武器の形を取ったアラガミである。 人類がこの兵器を振るう為には、神機に対して当該人物が遺伝的に適合している事が必須条件となる。 適合がある人間は、P53偏食因子と呼ばれる、オラクル細胞から抽出された、アラガミに対して抵抗力を持つ物質を注射。その後オラクル細胞を身体の奥深くに埋め込む。こうして晴れて、当該人物は神機を振るう事が出来る。 アラガミを構成するオラクル細胞、そして元々はオラクル細胞の一部である偏食因子を身体に埋め込む。 そう、神機使いと言う人種は、人間を超えた身体能力と神機を振るう権利を得る代わり、何かの間違いで身体に埋め込まれたオラクル細胞が暴走。自らがアラガミ化してしまうと言う重大なリスクも孕んでいるのである。 無論としてフェンリルの側もそうならないよう厳重なチェック体制を行っているが、元々神機使いは人類の天敵に等しいアラガミと切った張ったを繰り広げる職業だ。 現場では実際に、不慮の事故で部隊員がアラガミ化してしまうと言う傷ましい事故が少なからず発生しており、その度に、断腸の思いで隊長格の人物が、部下の介錯を行っている。 痛ましくて、悲しい事件だと、リッカは切に思う。 アラガミ化した人間にとっても哀れであれば、介錯を行う当人にとっても嫌なしこりを残す事例だ。 技術者として、そう言った事故のリスクを限りなく減らし、神機使いの側にも憂いなく戦闘に望めるような技術進歩を。 そしてフェンリルに所属する人間として、仲間が仲間を介錯すると言う余りにも悲惨なケースがなくなる事を。彼女は強く望んでいた。 神機使いの半身とも言える相棒である神機のメンテナンスを行う、実戦現場から遠い位置にいる、優しい性格の少女。それが楠リッカだった――と言うのに……。 何故よりにもよって、そんな彼女が、聖杯戦争へ導かれてしまったのか。自らの身に降りかかった残酷な運命を、ひたすらにリッカは呪っていた。 「ね、ねぇ。この戦争って、私達以外にも参加者がいるんでしょ? だったらさ、私みたいな考えの人もいるかも知れないし、同盟を組んで一緒に――」 「確かに有利には進められるだろうが、最終的にはその同盟の奴とも決着を着けるんだぞ。最低でも一人は、絶対に殺すんだよ」 やはり、そうなってしまうのか。今にもリッカは身も世もなく大声で泣き出してしまいそうだった。 サーヴァントであるVAVAが実行役を引き受けるとは言え、無事にこの街から抜け出したいのなら、リッカは人を殺さねばならないのである。 しかも、アラガミと化した人間を、ではない。本当に純粋な人間を、だ。リッカは潰れてしまいそうになる。何故、このような事になってしまったのだろうかと。 「VAVAは、やる気だね……。其処までして何か、叶えたい願いでもあるの?」 疲れたような声色で、リッカが訊ねる。 聖杯戦争なるものの本質が、その名の通り、願いを叶えると言う聖杯――リッカにとっては到底信じ難い代物――にあるのだろうとは理解したリッカ。 となればVAVAも、この戦いに臨むに当たり、叶えたい願いがあるのだろう。だからこそ、この場に彼はいるのだから。 「望みはあるが……、聖杯で叶えるような願いじゃねぇな。俺の願いは、この戦いに呼び出された時点で半ば叶ってる」 「? それって、どう言う……?」 「俺は、自分が真に優れたレプリロイドである事を証明したい。あの甘ちゃんレプリロイド……エックスの野郎よりもな……!!」 そう語るVAVAの声音は、驚く程恐く、そして、隠せない程横溢した怒りに満ち満ちていた。 リッカはたじろぐしかなかった。VAVAはレプリロイド、ロボットである。決して人間ではない、無機物の存在である。 言動やAIを人間のものにどんなに近づけても、彼らは人間に決してなれない存在の筈なのに。何故だろうか。リッカの目には、このVAVAと言うレプリロイドは、下手な人間よりも、人間らしく映っていた。 「証明するって、聖杯に願って……?」 「違う。聖杯戦争は俺と同じようなサーヴァントとマスターが恐らく集うだろうよ。中には、俺やエックス、ゼロやシグマの奴よりも強い奴がいるかもしれねぇ。 そんな奴らが集まる中で、俺がこいつらを下し、聖杯戦争の生き残りになれば……。俺は、十分優秀なレプリロイドの条件を満たしてるだろうがよ? 俺は……自分が誰よりも――特にエックスよりも優秀だったって言う事実を刻みてぇんだよ。俺と言う存在がどれ程世界にとって脅威的な存在だったか、皆に知らしめたいんだよ。 それをクリアーするなら……聖杯戦争の優勝者となるだけで充分だ」 驚くよりも、リッカは最早呆れるしかなかった。無茶苦茶、としか言いようがない。 掻い摘んでしまえばVAVAの望みと言うものは、自己顕示欲と承認欲求を極限まで満たしたい、と言う事である。 VAVAが人間であったのならばさもありなんだが、彼はレプリロイド――ロボットである。 そんな彼が、他のレプリロイドに強い執着心と対抗心と嫉妬を抱き、自己(アイデンティティ)の確立に燃える。 それは、予めプログラミングされた思考回路を持つロボットとしては極めて異常であると言わざるを得ない。 VAVAは、レプリロイドに関する知識もなければ比較対象も知らないリッカの目から見ても、『イレギュラー』としか思えない存在であった。 「そう言う訳だ。俺の願いは、この戦いに招かれた時点で半ばは達成されてる。聖杯はテメェにでもくれてやる。それで、この戦争で死んだ奴の復活でも願えば良いだろうが」 「!! そ、そんな事も……?」 「万能の願望器、って言う言葉に嘘偽りがないのなら、多分出来るんじゃねぇのか?」 本心を言えば、リッカにだって願いがない訳ではない。 西暦2050年に地球上に突如として現れたアラガミ達により、人類の文明は、嘗ての栄華が嘘の如く荒廃させられていた。 神機以外の通常兵器が通用しないと言う都合上、人間はムシケラのように蹂躙され、多くの国家と多くの都市が、アラガミの手により壊滅して来た。一日に十万人以上も殺される日もあった程である。 今でこそ神機や偏食因子などを用いた対抗手段が幾つか生まれているが、これもまだアラガミを地球上から消し去る決定打、とまでは発展していない。 神機の発明から十年以上も経過したが、それでもまだ、人類はアラガミとの戦いで有利に立てているとは言い難いのである。 もしも聖杯が万能の願望器であると言うのなら―― リッカの叶える願いは、ただ一つ。地球上の全てのアラガミを消滅させる事。それしかなかった。 戦う必要のない整備班であるが、悲しい事が全くない仕事と言う訳ではない。それまで整備のついでに談笑し、仲良くなった神機使いが、明日の戦いで命を落とす、などと言う事は決して少なくない。 その度に、彼女は悲しくなる。泣きたくなる。そして、そんな事が起る度に、彼女は考えるのだ。アラガミが現れたから――皆。 クレイドルに行った『彼』も、アリサも、コウタも、ソーマも、リンドウも、サクヤも、ツバキも、カノンも、エリナも、ブラッドの皆も。 負わなくて良い傷を負い、犯さなくても良いリスクを犯し、背負う必要のない悲しみを背負っている。アラガミさえいなければ……、そう思うのは、リッカだけじゃない。 彼女の住んでいた地球の誰もが考える事だろう。聖杯で、そんな願いを叶えてやりたい。だが、その為に人を殺して良いのかと言う問題が沸き上がり、悩んでしまう。 たっぷり三十秒程唸るリッカだったが、ある時ピタリと、その唸り声が止む。 俯かせた顔をグワッと上げると同時に、彼女は言葉を発する。 「いよっっっし!! こうなったら覚悟を決めた!! VAVA――いや、ライダー!! 聖杯を手に入れるよ!! こうなったら欲張るよ私、聖杯を手に入れて、この戦いで死んだ皆を生き返らせつつ、アラガミを世界から消す!! それで、チャラになるって信じる!!」 「……欲張ったな。だが、それ位が丁度良い。訳も解らず、数合わせの為にこの戦いに呼ばれたんだったら、生き残った暁にそれ位は望まねぇとな」 座っていた鉄骨から、VAVAが立ち上がる。肩のキャノン砲を除けば、実にシャープでスリムなフォルム。とてもロボットとは思えない。 しかし彼こそは、嘗て単身でシグマ率いる反乱軍を壊滅させ、最強の特A級ハンターであるゼロと、 彼に匹敵するスペックと、そのスペックでは計れない無限の可能性を持ったレプリロイド・エックスを破壊寸前にまで追い詰めた、恐るべきレプリロイドなのだ。 「(エックス。テメェみてぇな甘ちゃんにゃ、この聖杯戦争は切り抜けられんだろうよ。この俺じゃなきゃ、聖杯まで辿りつけねぇ)」 もといた世界にいるであろう、いつも悩んでばかりいたあのレプリロイドを夢想するVAVA。 反乱軍を単身で潰乱させた自分よりもなお、シグマが脅威と信じていたあのレプリロイドよりも、自分が優れていると今度こそ証明する。 「(――俺がジョーカーだ、エックス)」 戦いの意思を強く固めるVAVAなのであった―――――――――――― 「あ、そうだ。ねぇ、ライダー」 「あん?」 「さっきの神機の話だけどね、ライダーに似合うって言うのは本当の話なんだよね」 「……あ?」 何だか、雲行きが怪しくなってきた。 「ホラ、ライダーのフォルムってさ、如何にも戦闘用のそれ、って感じだからさー。神機との整合性とか見た目とか、悪くなさそうじゃない? 聖杯がさ、願いを1つしか叶えられないんだったら、私は聖杯戦争で死んだ皆を復活させるよ。それでね、アラガミの消滅はね、ライダーにも手伝って貰う」 「テメェ、何俺が手伝う事前提にしてんだよ」 「いやいや、だってさ、エックスってレプリロイド? よりも強くなりたいんでしょ? アラガミと戦い続けても、その目標は達成されると思うわけ。 しかも、ただでさえ強いライダーに、ただでさえ強い神機が装備されるんだよ? 今より弱体化される訳ないじゃん。あっ、もしかしてどういう種類があるか知りたい? ゴメンゴメン配慮が足りなかったね」 「俺の話聞けよお前……」 「神機ってね、さっきも言った通り、近接戦闘も遠距離戦闘も出来てね、多分VAVAの場合は遠距離戦闘を主体にした――――」 …………存外、この少女は大物なのかも知れない。 このマスターと勝ち抜いてやると言うVAVAの決意に、少しばかり曇りが生じた瞬間なのであった 【クラス】 ライダー 【真名】 VAVA@イレギュラーハンターX 【ステータス】 筋力C(A) 耐久B+(A+) 敏捷B(B+) 魔力E 幸運D- 宝具B++ 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 対魔力:E++ 魔術に対する守り。無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。 無効化こそ出来ないが、未来の世界のレプリロイドであるライダーの身体は、多少の障害程度はものともしない。 騎乗:D++ 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。 後述するライドアーマーに騎乗した時に限り、ランク以上の騎乗スキルを発揮出来る。 【保有スキル】 反骨の相:A+ 権威と規則に全く囚われず、敵味方の区別なく破壊を繰り広げ続けた者としての性質。 ライダーの場合生れついての回路異常のせいで、正しい上下関係などを理解していなかったふしがある。 同ランクのカリスマや魅了を無効化する。 レプリロイド:A ライト博士が生み出した世界最初のレプリロイド、エックスをモデルに作られたヒューマノイドであるかどうか。 人間に限りなく近い思考回路を持っているとは言え、ライダーは機械である。魔術的な精神干渉の一切及び生物毒の類を完全に無効化する。 破壊工作:D 戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。 ランクDならば、相手が進軍してくる前に一割近い兵力を戦闘不能に追いこむ事も可能。ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく 矢よけの加護:B 飛び道具に対する防御。狙撃手を視界に納めている限り、どのような投擲武装だろうと肉眼で捉え、対処できる。 イレギュラーハンターは高速で飛び交う弾丸や飛来する礫等に素早く対処する必要がある為、このランクは妥当と言える。 ただし超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。 【宝具】 『騎乗を可とする機械の鎧(ライドアーマー)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:10 最大補足:20 真名解放と同時に騎乗可能となる特殊なガジェット。 ライダーの駆る機械の乗り物。本来は土木用作業機械に過ぎなかったそれを、世界で初めて兵器に転用したと言うライダーの偉業が宝具となった物。 ライドアーマーを武器にすると言う発想はVAVAがエックス達に始末されてからも高く評価され、その後エックス達は当然の事、レプリロイド達の軍隊である レプリフォースまでも、戦闘用にチューニングされたライドアーマーを使用している事から、この一点においてライダーは明白に世界を変革してみせたのだ。 ライドアーマーに騎乗している間は、ライダーのステータスはカッコ内の数値となり、ライダーに備わる基本兵装を遥かに超える威力の重機関銃による掃射攻撃、 足元のバーニアを使用した空中でのホバリング移動を可能とする。破壊される、或いは騎乗してから数分が経過すると、ライドアーマーは機能を停止。 数時間は使用不可能になるが、令呪を一区画消費する事で、ライドアーマーを瞬時に再生させ、再び騎乗させる事も出来る。 『短射程の一撃必殺(ゴールデンライト)』 ランク:D+++ 種別:対人宝具 レンジ:2 最大補足:1 ライダーの隠し持つもう一つの宝具。その正体は、右手に隠されたロケットパンチ機能。 その威力は一撃必殺を語るには申し分なく、直撃さえすればAランク相当の対人宝具並の威力を発揮、耐久に優れたサーヴァントにも致命傷を負わせる事が出来る。 唯一にして最大の欠点は、直撃『さえ』すればとある通り、致命的なまでの射程の短さ。 2~3m程までしか飛ばない為、直撃させる為には極限まで相手との距離を詰めねばならない。 そして、一度外してしまい、その存在が露呈してしまえば、次に直撃させる事が非常に困難な宝具になる。 直撃さえさせれば非常に有効だが、逆に言えば直撃させねば全く意味のない宝具の為、使用には慎重に慎重を期さねばならない。 【weapon】 チェリーブラスト: 射程十m程の、指先から放たれるバルカン。 ヒューメラスクラッシュ: 右肘から放たれるミサイル。 フロントランナー: ライダーのキャノン砲から放たれる砲弾。 ケルベロスファントム: 同時三方向に射出する事が出来る熱線兵器。 メタルクレセント: 同時に三枚のブーメランを発射し、相手を切断する兵装。 バンピティブーム: 脚部兵装から発射されるナパーム弾。 デッドスターハグ: 脚部兵装から発射される、地面を這いながら進むエネルギー弾。壁に当たるとボールの要領で跳ねかえる。 ワイルドホースキック: 脚部兵装から放出される火炎放射。 本来ならばより多くの兵装があったのだが、ライダークラスで現界した為、その多くを失っている。 【人物背景】 嘗てイレギュラーハンターに所属していた、A級イレギュラーハンター。 しかしそのスペックだけを見るなら、特A級に迫るものが有り、現に彼もまた、特A級の証であるアクション、壁蹴りを難なく使用する事が出来る。 生れついて電子頭脳回路に異常があり、その圧倒的火力に任せて行動し、周囲の被害も考えず暴れまわる危険人物でもあった。 任務においても本来最小限に食い止めるべき被害を逆に拡大させてしまう事も度々あり、任務を遂行するというよりは純粋にイレギュラーを「狩る」事を目的としている様な思考をしている。 このような性格からか、イレギュラーハンターの中でも揉め事は絶えなかったらしく、本編開始前に留置されるに至る。 その後、反乱を起こしたシグマに誘いをかけられる。だが、B級ハンターであり、甘ちゃんと言って蔑んで来たエックスの方がシグマから危険視扱いされている事に反感を抱き、 自分一人でクーデターをおこし、自分の方が脅威であると知らしめようとする。 シグマに加担した特A級ハンター八名を一人で始末、シグマパレスに乗り込んだVAVAは其処でエックスとゼロと対峙。 二人を破壊寸前にまで追い詰めるが、最後はエックスとゼロの不意打ちで返り討ちにあう。 天才科学者であるライト博士に作られたX、同じく天才科学者のワイリーに作られたZERO、そして現代におけるレプリロイド開発の権威であるDr.ケインに作られたΣとは違い、彼は特別の出自もないレプリロイドであった。 しかし自らの意思でイレギュラーとなり、全ての特A級ハンターを破壊、自己を確立しようと足掻いたVAVAもまた、レプリロイドの進化と無限の可能性を象徴する存在でもあった。 【サーヴァントとしての願い】 聖杯戦争を勝ち抜き、自分こそが世界にとって脅威となるレプリロイドである事を今度こそ証明する。 【基本戦術、方針、運用法】 レプリロイドである故の物理的な防御力の高さと精神干渉への耐性、そして数々の兵装を用いた火力戦は非常に強力。 A級ハンターとして前線で戦って来た経験は伊達ではないと、そのステータスが雄弁に物語っているだろう。 ライドアーマーに騎乗した際の強さは凄まじく、騎乗スキルを存分に生かした素早い立ち回りはライダーの名に恥じない。 ただ欠点は、魔術が一切存在しない世界からやって来た事による、致命的な魔術への耐性の無さ。そして本当の切り札である、『短射程の一撃必殺』のピーキーぶり。 格上のサーヴァントに当たれば当たる程、VAVAと言うサーヴァントはこの宝具を如何に直撃させるか否かがキモとなる為、打ち損じは断じて許されない。 飛び道具で中~遠距離戦が得意である、と見せかけて、接近した相手に対して『短射程の一撃必殺』を当てる事が、格上相手に勝利を拾うコツとなるだろう。 【マスター】 楠リッカ@GOD EATERシリーズ 【マスターとしての願い】 地球上に存在する全アラガミの消滅と、聖杯戦争で死んだ参加者の復活。 【weapon】 【能力・技能】 神機の整備を得意とするが、この世界に神機は存在しない為、役に立たない技能となっている。 【人物背景】 フェンリル極東支部神機整備班に所属する整備士。父親も同じく神機整備を担当する技術者だったが、彼の亡き後その技術力を受け継ぎ、仕事に精を出している。 バレットの開発も担当しており、シオのドレスを製作するなど、整備以外の事も卒なくこなせる。 長年の経験と職業柄、神機の知識が豊富。その程は、神機の状態を見るだけで持ち主の戦闘スタイルを判断出来るレベル。 整備をしていると、神機の傷が「仲間を庇って受けた傷」なのか「ビビって逃げた傷」なのかがわかるとの事 【方針】 なるべくなら人を殺したくない。が、肝心のVAVAが戦闘に対して極めて乗り気であるので、彼を何とかして御したい。
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【英数字】【あ行】【か行】【さ行】【た行】【な行】【は行】【ま行】【や行】【ら行】【わ・を・ん】 【予選】 方舟に召喚されたマスター達がまず潜り抜ける必要がある第一の関門。 各マスター候補は全ての記憶を奪われ、NPCとして方舟内部に再現された霊子虚構空間の中で日常生活を送ることとなる。 その過程で自分の状況に違和感を抱き、自身の存在を思い出すことが出来るか……という試練である。 記憶を取り戻すことで晴れて聖杯戦争の知識が与えられ、サーヴァントが召喚されることとなる。 なお、聖杯戦争開幕までに記憶を取り戻すことが出来なかった場合、開戦後もNPCとして生活することになる。 つまり本戦に参加したマスターから見れば普通のNPCでも、その者が元は地上の人間だったという可能性はある。
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「あらら、やっぱり嵌められたか」 目の前に写る、人知を超えた奇跡の存在。 一生を生きる内、この神秘的な光景を目に焼き付けることの出来る人間など、何人居ようか……。 しかし、アカギの目はセイバーを見ながらも、頭はこの場に呼ばれるまでの事を思い返していた。 始まりはあの男、悪徳警官安岡……アカギの対局場を用意するなど、通称セッティングパパと呼ばれる男……! 『アカギ、お前に渡したいものがある』 現実世界での最後の記憶…それは、安岡から渡された妙な木片を受け取った時のこと。 瞬間、場面は反転…。聖杯戦争という名の新たなゲームに、アカギは参戦を余儀なくされた……。 本戦に進むまでの予選をアカギは突破、今まさに…サーヴァントの召喚…契約を行おうとしている……!! 「―――サーヴァント、セイバー。召喚に従い参上した」 「ククク…なるほど、これがサーヴァント……!」 「問おう。貴方が、私のマスターか」 そしてアカギ、引き当てる…! 最も優れし最優のサーヴァント、セイバーを……!! 触媒無しの、何が来るか分からないリスキーな召喚。しかしアカギこれを難なくクリア……。 「ああ…俺がマスターらしい……」 月光の如く、煌く金髪…宝石のような碧眼…透き通るような白い肌…圧倒的外国人……! セイバー、真名をアルトリア・ペンドラゴン……かの騎士王アーサー。サーヴァントとして不足なし……。 アカギ、肯定……! 自らをマスターと告げる。マスターの証、右手に浮いた三つの令呪を掲げ……! 「では、マスターご指示を」 「ククク…あんた、聖杯が欲しいのか?」 「っ!? 何を……?」 アカギ、セイバーをスルー…。口にしたのは、初歩的な質問……。 「私が、聖杯に望む願いが知りたいのですか?」 「違うな…。そんなことは、どうだって良いんだ。ようは、あんたは聖杯が欲しいのか、それが知りたい……!」 「無論です。私は…聖杯が欲しい……!!」 当然、答えはYES…。セイバーの掲げる願いに聖杯は必須……。 あまりにも、する意味のない問答…セイバーにアカギへの疑念沸く。 「なるほど、ならもう少し頭を使った方が良い……」 「それは、どういう意味……!?」 「聖杯戦争…これを馬鹿正直に勝ち抜いたとして…どうして奴らが大人しく、聖杯をこちらに渡すと思う……? 騙されるなよ……。あんた、もう二度目だろ」 「なっ!?」 セイバー、見抜かれる……!! 二度目の参戦…一度目の敗退……。アカギ、見通していた……!! 「分かっていたのですか……。私が、以前にも聖杯戦争に呼ばれたことを……?」 「見れば分かる…。一目瞭然……! あんたは最初、俺がマスターだと知った後、指示を煽いだ。 もし初参戦なら、もう少し様子を窺っても良い…。 英霊といえど元は人間。例え聖杯から知識を与えられようが、見たことがないものに参加すれば、それこそ教科書に載るような時代の人間が現代に来るんだ。僅かながら、そこには物事を観察する時間が生まれる。 だが、あんたにはそれはなかった。寧ろその逆…! 掛かる手間を全て省き、戦いの準備を済ませようとする……。手馴れていた」 セイバー、驚愕……。アカギの洞察力、恐るべし頭の切れ……! 「見事です。流石だ…。時代が時代なら、貴方は良い軍師になれる。 故に聞きたい。貴方は、この戦いで聖杯は得られないと…?」 「単純に考えて、奴らのメリットが薄い。 なるほど、願いを賭けた殺し合い。盛り上がることは必然…! しかし、運営が得るであろう見返りと、俺達が得る見返り……! どちらに価値があると思う……? 当然…後者……!」 「つまり、この運営は…」 「ああ…恐らくは、俺達が殺しあうことで現れるであろう聖杯……。こいつが出来た瞬間、用済みってことも…ありうるってことだ」 まあ、あくまで仮説の一つだが。とアカギは付け加えながらもその説得力は重い…。 主に裏切られたばかりのセイバーが、疑いを持つには十分過ぎた。 「仮にだとするなら…私は……」 「ククク…セイバー、落ち込む事もないだろ?」 「なんですって……」 「奪えばいい。奴らが俺達を切り捨てるのなら、その瞬間逆に俺らが奴らを刺す。 簡単な話じゃないか」 「え…?」 アカギが提案した意外な解決策。 それは強奪……! 「で、でも…運営は主催は……私を従える令呪を……!」 「つくずく的が外れてるな、セイバー。 どうせ後には退けないのなら、とことん進んでしまえばいい。 結局、切り捨てられるなら……反旗を返して死ぬか、無抵抗で死ぬか」 言われて思い出す。セイバーの願い使命を……! 過去を変えたい。王の選定をやり直す……。その願いの為ならば……!! 「私は…勝ちたい……! 勝たなきゃ嘘だ…。そして国を……!!」 セイバー決意……! 泥を啜ろうとも、地を這おうとも必ず勝つ……! 「マスター…私は聖杯が欲しい……! 何としても!! マスター! 契約を!!」 「良いだろう。契約だ」 セイバーとアカギ、契約完了…! 晴れてマスターとサーヴァントとして聖杯戦争…参戦……!! 「マスター改めて指示を―――」 「その前に……。やっぱり、こいつは要らないな」 「え?」 アカギ、令呪の刻まれた右腕をかざす。 「―――令呪を三角重ねて命じる。セイバー、好きに行動しろ」 それは、マスターとして有り得ぬ愚考……!! 令呪の…実質的破棄……! 「な、馬鹿な……」 セイバー、解放! 実質、ほぼ何の制約も無く。彼女はサーヴァントの力を存分に振るえる。 それこそ、マスターを組み伏せ、限界の錨がわりにする事も可能! 「あ、貴方は…自分が何をしたか、理解しているのですか……!!」 「ククク…俺は元々、聖杯戦争なんて茶番に興味は無い……! 俺からすれば、こんなのはまだ予選の内……。ここに居る連中、全員倒したところでそれは偽りの勝利……! 真の勝利は…その先にある……!!」 理解不能。最早異次元、発想からして先ず違う。 「この聖杯戦争…自身の意思で参加したものが何人居ると思う? 自ら望まぬどころか、そもそも戦いすら何も想定していない弱者など倒しても、それは勝利じゃない。 ハイエナ…三流、いや五流もいいとこ……!」 「つまり、貴方は……主催者達と戦うと?」 「ああ、狂気の沙汰程、面白い!」 理屈は理解した。 しかし、まだ不可解……! 何故、令呪を破棄する必要があったのか。 「その為には、与えられた主従、偽りの結束なんて要らない。 ククク…なるほど、お前は当たりだったみたいだ」 セイバーは我に返る。 今、試されたのだ自分は、アカギに……! 自らのサーヴァントたるか。主催者と戦う僕、足り得るかを……! 令呪という束縛をなくした今、セイバーという存在を図る為に、その身を、命を張って試したのだ。 「行くか。セイバー、聖杯を取るんだろ?」 もしも、セイバーがアカギを裏切っていたら、アカギはどうしていたのか。 何か策はあったのか、手立てはあったのか。 いや違う。何も無かった筈だ……。 尋常ではない。異常だ。狂ってる。 この男は、人の思考をしていない。人ならざるサーヴァントを以ってしても測り得ぬ、もっと別の何かだと。 (私は……とんでもないマスターを持ってしまったのか) 今ここに。 後に、正史であれば「神域の男」といわれた男の聖杯戦争が幕を開ける……! 【CLASS】セイバー 【真名】アルトリア@Fate/stay night 【パラメーター】 筋力B 耐久C 敏捷C 魔力B 幸運A 宝具C 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 対魔力:A A以下の魔術は無効化。事実上、現代の魔術で彼女を傷つけることは不可能。 騎乗:B 大抵の動物を乗りこなしてしまう技能。幻想種(魔獣・聖獣)を乗りこなすことはできない。 【保有スキル】 直感:A 戦闘時、未来予知に近い形で危険を察知する能力。 魔力放出:A 身体や武器に魔力を纏わせて強化して戦う技能。 カリスマ:B 戦闘における統率・士気を司る天性の能力。一国の王としては充分すぎるカリスマ。 【宝具】 『風王結界(インビジブル・エア)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大補足:1個 『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』 ランクA++ 種別大軍宝具 レンジ1~99 最大補足1000人 【weapon】 なし 【人物背景】 ブリテンの伝説的君主・アーサー王その人。 第四次終了後から参戦。 まだ腹ペコ王には目覚めていない。 【サーヴァントとしての願い】 王の選定をやり直す 【基本戦術、方針、運用法】 一先ずマスターの方針に従う。 【マスター】 赤木しげる@アカギ ~闇に降り立った天才~ 【参加方法】 木片をセッティングパパから貰った。 【マスターとしての願い】 主催を倒す。 【weapon】 無し。 【能力・技能】 麻雀・その他ギャンブルの天才。才気・精神性・運量、その全てが常軌を逸しており「悪魔」と比喩される。 後に「神域の男」「鬼神」「百年に一人の天才」「転ばずの赤木」といわれ、数えきれないほどの伝説をもつほどである。 【人物背景】 独自の死生観を持ち、自らを半死人と評す程に生への欲求を感じられず、死への恐怖を感じない自分を異常者。 【方針】 自ら、進んで参加した者、強者との戦いに興味はあるが、聖杯戦争自体に興味は無い。
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キャラシート【としあきの聖杯戦争TRPG】 【名前】時野永正(ときのながまさ) 【容姿】ジャージの少年。 【願い事】タキオン粒子の制御など 【バッドエンド】未定 【グッドエンド】未定 【その他】中立・善・人・男性 【令呪】0/ 3 【HP】10/ 10 【筋力】D:2 【耐久】D:2 【敏捷】D:2 【魔力】D:2 【幸運】D:2 【スキル1】放出レベル1(完勝への布石): 自分のサーヴァントの先手判定時、補正値3を与える。 【スキル2】粒子補填(霊基補強) 自分のサーヴァントの最大HPを15増やす。 【奥義】最大放出 自分のサーヴァントの先手判定時、補正値5を与える。 泥 名前 時野永正(ときの ながまさ) 誕生日・年齢 2月19日・大体65歳 身長・体重 150cm・45kg 血液型 AB型 好きなもの 平和・研究・ヒラメの煮付け 苦手なもの 戦争・孤独 特技 節約 起源 検出 属性 中立・善 魔術属性 無 魔術系統 構成解説・強化・錬金術? 魔術特性 強化 魔術回路 質:B / 量:B / 編成 健常 イメージカラー 翡翠色 略歴 仮想粒子タキオン(正確には超光速物質)を研究する一族。実験で粒子の生成に成功するも制御に失敗。その影響で突発的に様々な時間や世界に飛ばされる体質になる。タキオン粒子の影響で見た目よりかなり年寄り(具体的には半世紀ほど)。 偶然カルデアに流れ着き状況を知らぬまま拘束。環境の影響かタキオン粒子が落ち着いておりカルデアの技術による制御法の確立を期待して協力者となる。サーヴァントはバーサーカーを召喚。相棒的な存在で仲がいい。 人物 一人称は俺。他者とのコミュニケーションに少し飢えている節があり、カルデアでは友好的な関係を築くため後輩キャラを演じている。 性格は落ち着いているが精神的に未成熟のまま孤独になった為外見相応となっている。 幼少期に戦争を体験しているため戦争を嫌っている(これが平和が好きな理由)。また、故郷や人の帰る場所という物に並々ならぬ執着がありそれを奪う存在に対しては激昂する面もある。 魚の煮付けが好きな理由は最初に飛ばされた時途方にくれ行き倒れた彼を助けた定食屋が作ってくれた料理だったから。 +人間関係 人間関係 バーサーカー 最初に聖杯戦争で召喚されて以来何故か毎回召喚されるサーヴァント。相棒ともいえるサーヴァントでお互いに扱いが悪くても気にしない関係。 能力 肉体がタキオン粒子の増幅、貯蔵、放出を行うために全ての能力バランスが均一になるように調整されている。魔術において回路は平凡の一言に尽きるが脳の"性能"を弄られており知力面においては高い能力を持つ。 基本的には回路を粒子でカバーして本来より大幅に魔力を使う魔術でも使えるようにしている。その代わりか突発的な時空移動が発生する可能性に苛まれている。 +使用スキル 放出レベル1 タキオン粒子を対象に撃ち込むことで加速させる能力。速射性と連射性に重きをおいている為上昇率は少なめ。現在は縁の深いサーヴァントにしか使えない。 粒子補填 タキオン粒子を予め埋め込んでおくことで微妙な時間のズレを作り出し耐久をあげる能力。こちらも縁の深いサーヴァントにしか使えない。 最大放出 放出レベル1と同時に使えるだけの粒子を放つ能力。段違いの速度での加速が可能。これらの能力に後につけられた名称から『超光速物質(タキオン)』と呼称している。 「これは空想、机上の空論にして仮想たる存在……!しかして生まれた我らが結晶!『超光速物質(タキオン)』!」
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玲奈&オブリビオン◆wKs3a28q6Q 狂ってやがる。 目の前の狂乱を眺めながら、ミュッチャー・ミューラー――通称“ミューミュー”は心の中で吐き捨てた。 「あっ、ふぁぁっ!」 しかし決して顔には出さない。 この程度の光景なら、州立グリーン ・ドルフィン・ストリート重警備刑務所で毎日のように目にしてきた。 強いて言うならば、今目の前でいたぶられている少女の見た目だけは、今までの日常とは異なる。 目の前で顔を歪ませているのがグリーン ・ドルフィン・ストリートでは見かけないくらい『どこにでもいる普通の娘』である事実は、 ミューミューの心を僅かばかり痛めさせた。 もっともそれは、本当に僅かばかりなのだけれども。 「らめっ……あっ……あぁっ……も、もうっ……!」 コンクリートで囲まれた部屋で、力無き者が陵辱される。 グリーン ・ドルフィン・ストリートでは男女問わず囚人間で行われていることだった。 なんなら、一部のイかれた変態看守が囚人相手にシたとも聞く。 幼い頃性的暴行を受けたという女囚も少なくなかったし、まぁ極普通の少女が陵辱されたとしても、『運が悪かった』で済ませられる。 看守ではあったのだが、ミューミューは別に正義の心を持ち合わせてなどいなかった。 「あらあら、こんなにびしょびしょにして……」 「い、言わないでぇっ」 違和感を覚え、狂っていると感じるのは、やはりここが日本あたりの平和な国の平和な街であるからだろう。 そして、コンクリートで囲まれたこの部屋が、監獄ではなく普通のコンビニであることも、大いに違和感を抱かせた。 「お仕置きなのに気持ちよくなるなんて……本当に反省しているのかしら?」 極めつけは、目の前で少女を陵辱している少女だ。 先程までは穏やかな笑みを浮かべながら接客をしていた姿から、想像つかぬほど悪意に満ちた笑みを浮かべている。 日常とのギャップという点において、今ここほどに酷い場所はそうあるまい。 「もぉ……許ひてぇっ……」 語尾にハートマークをつけながら、涎を垂らして何度も痙攣する少女。 彼女がこの地獄に叩き込まれた原因は、他ならぬミューミューが作っていた。 「もう二度と忘れたなんて言えないように、痕を残しておいてあげるわ」 陵辱を加える少女――玲奈は、ミューミューの『マスター』だった。 玲奈はこのコンビニの店員であり、聖杯戦争以前からコンビニで勤務していたらしい。 真面目に業務に打ち込み、勤務時間に釣りに勤しむ店長を尻目にひたすらレジを打ち続ける真面目な少女。 客からの人気も高く、まさに平和な国で陽のあたる場所に居る少女という印象だった。 しかし一度万引きが行われると、玲奈は豹変することが分かった。 人が変わったように万引き犯を陵辱し、嫌悪と憎悪を叩き込む。 最初に万引き犯を捕まえた時など、その無慈悲さと普段とのギャップに、ケツの穴に氷柱を突っ込まれたかのような気持ちになった。 今ではすっかり慣れてしまったが、それでもやはり、玲奈はどこか狂っていると思わざるを得ない。 もしかすると、対万引き犯においては、サーヴァントである自分よりもよほど強いのではなかろうか。 「ひぐぁぁぁっ、やめっ……!」 兎にも角にも、今の自分の仕事は『聖杯戦争で優勝すること』だ。 サーヴァントになる前からスタンド能力なんていう狂ったモノを手に入れていて、 スタンド使いを閉じ込めるなんて仕事に就いていたのだが、無様に失敗していまっている。 下手をすれば、制裁が加えられていたかもしれない。 被害者自身にも法律にも気付かれず殺せるのがスタンドなのだ。 自然死を装い、強大すぎるスタンドを持ちながら任務に失敗した者を始末しない理由もない。 「あぎいいいいいいいいいっ!!」 そうなるとグリーン・ドルフィン・ストリートから逃げるしかなかったわけだが、正規の手続きを踏んで退職するのは時間がかかる。 かと言って黙って逃走すれば、今までのキャリアを全部ドブに捨てるうえ再就職が難しい。 ある意味――復活の機会でもあるこの聖杯戦争は、ミューミューにとって救いだった。 「こんなに酷いことをされてるのに感じるなんて、貴女やっぱり変態なんじゃないの?」 どうしても叶えたい願いなどない。 それでも死にたくはないし、金はほしい。 極々普通の願い。 けれどもそれは、多分もう、聖杯を使わねば叶わぬ願い。 「ほら、恥ずかしいところ、店長に見てもらいなさい」 そのためなら、この狂った状況も受け入れよう。 今の自分に出来ることをきっちりとこなし、そして勝つだけだ。 例え戦場が監獄からコンビニに代わり、立ち位置が主任看守から店長になろうとも変わらない。 殺傷力を持たないが、しかし最強のスタンドを有効活用するための場を、聖杯戦争開始までの間に整えてきた。 そしてそれが効果的であることは、今の“予行練習”で証明されている。 「ひ……だめっ、イくっ、イっちゃう!」 少女は、万引きをした。 しかし少女にその自覚はない。 店内に仕掛けたミューミューのスタンド『ジェイル・ハウス・ロック』の能力で、万引きをさせられたのだ。 「や、らめえっ……み、見ないで……!」 ジェイル・ハウス・ロック。 元の世界では『スタンド』と呼ばれ、そして今では『宝具』と呼ばれる存在。 その能力は強力無比で、建物の中に潜り込んだジェイル・ハウス・ロックに触れると、物事を3つまでしか新たに記憶できなくさせるというもの。 ジェイル・ハウス・ロックに触れるまでの記憶は残っているが、触れたあとに4つ物事を記憶すると、古い1つを忘れ去るのだ。 この能力があれば、脱獄だって容易いし、万引き犯に仕立て上げるなど朝飯前。 HBの鉛筆を忘年会でケツでベキッ!とへし折った事と同じようにッ! 出来て当然のことなのだッ! 「あああああああっ!!」 陥れ方は簡単。 商品を手にとった瞬間、声をかけるなどをして3つのことを記憶させればいい。 今回は、外で雨が降っていたことを利用し、床清掃作業に見せかけ声をかけた。 『すみません、通ります』 『床滑りやすいんで気をつけて』 『よかったら傘立てあるので使ってください』 この3つを認識させた時点で、ジェイル・ハウス・ロックの能力で3つしか物を記憶できない少女は、手にした商品の存在を忘れる。 あとは認識できないまま商品を持って外に出るように仕向ければいい。 今回は傘立てを外に置いておくことで、自然と外に出ていくよう誘導した。 そうして事前に完成させていた万引き犯がこちらになります(3分ファッキング) 「ふふ……これでもう忘れる心配なんてないわね」 一応、きちんと布石も打っている。 近所の不良女学生間で「精算を忘れたことにすれば万引きも見逃されるからチョロいチョロい」という話が広まっていると、ありもしない情報を流した。 おかげでいくら「本当に何も覚えていない、悪意はなかった」と訴えても、ご覧のとおり玲奈には聞き入れられない。 もっとも玲奈の万引きに対する憎悪を見るに、そんな小細工をするまでもなく陵辱してくれていたような気はするが。 「これに懲りたら、二度と万引きなんてしないことね」 玲奈にとって大事なことは、万引きした少女にお仕置きを加えること。 しかしながら、勿論ミューミューにとっては、そんなことどうだっていい。 看守なんてしてはいたが、クズの更生や平和な世なんて望んじゃいない。 大事なのは、この聖杯戦争で勝つこと。 そのために、マスターである玲奈を利用する。 (出来ないさ、もう二度とな) 万引き犯への憎悪からくる、サーヴァントかスタンド使いでも違和感がないほどの限定条件下の能力。 精神力から話術、残虐性に至るまで、これがサーヴァントであれば+マークがついていただろう。 ジェイル・ハウス・ロックの力で万引きをさせたら、あとは全部玲奈に任せることにしていた。 そうすれば、ご覧のとおり茫然自失の少女が簡単に出来上がる。 (あの悪魔的テクニックを前に普通は再犯なんて考えられなくなるが、そもそもに――) しかしながら、聖杯戦争はヌルくない。 殺さなくては決して勝利にならないのだ。 なのに玲奈は、殺すような真似はしない。 仕置きの名の元に死にたくなるような辱めは与えども、直接命は奪わないのだ。 (――生かして帰すつもりはないからな) だからといって、ミューミューまで見逃してやる理由はない。 何しろ相手は聖杯戦争の参加者――マスターだ。 後日サーヴァントを引き連れて報復されても困る、ここで決着をつけなくては。 それに、下手に逃して、評判が変動するのも避けたかった。 あくまでどこにでもいるコンビニの、どこにでもいる店長でなくてはならないのだ。 目立ってしまい聖杯戦争参加者でないか疑われる展開だけは、何が何でも避けねばなるまい。 万引きの捏造も、バックヤードへの連行も、相手がこちらを疑っていないからこそ出来ること。 そのためには、「ただの平凡な店長」である必要がある。 聖杯戦争参加者だと疑われていたら、連行しようとした時点でスタンドバトルに移行するだろう。 相手にスタンドが決まった状態とはいえ、肉弾戦が得意でないスタンドである以上、無事で済むとは言い切れない。 忘却させるのにスタンドパワーは使ってしまうし、現に肉弾戦で空条徐倫に敗れ去っている。 もう二度と同じ轍を踏むことはしない。 人は成長する生き物だ。もっとも、何も学べないし記憶できない目の前の哀れな少女は別だが。 「正面から出られても困る、こちらからお帰り願おうか」 まだ半裸で啜り泣く少女へと服を投げつけて、半ば無理矢理服を着せる。 そして玲奈が業務に戻ったことを確認してから、彼女を外へと放り出した。 あくまで、少女の足で。 ふらつく少女自ら歩かせて。 弱り怯えた者を無理矢理動かす技術は、看守時代に身につけていた。 そして、ふらついて壁に手をつくのを待つ。 予想より足取りがしっかりしていたら、「さっさと帰れ」等と罵声を浴びせながら、自然なタイミングで蹴りを入れる。 要するに、壁の一部に触れさせれば勝ちなのだ。 これで、解除していたジェイル・ハウス・ロックが再度発動する。 「それじゃあな」 このコンビニの近辺は、比較的栄えている。 だからこそ、一旦路地裏へと放り出した。 これならば、万が一不審に思われても、路地裏で暴行されたようにしか見えまい。 「車には気をつけて帰るといい」 このコンビニの近辺は、比較的栄えている。 それでもまだまだ繁華街とは言いがたい。 横断歩道は設置されているが、信号機がない場所も多々存在する。 『右から車が来ているかを確かめる』 『左から車が来ているかを確かめる』 『もう一度右から来ているかを確かめる』 『今なら渡れるし道路を渡る』 この4ステップが――最初の右の確認を怠っても3ステップが、渡り切るのに必要な道路が、この辺りには多数存在しているのだだ。 周りの目を気にしたり、こちらの意向を気にしたりすれば、必要な動作――記憶の数は、もっと多くなるだろう。 「……ああ、だから言ってやったのに」 大きな衝突音がして、それから悲鳴が聞こえてくる。 きっと、事故でもあったのだろう。 まるで車が見えていないかのように飛び出して、少女が自動車に轢かれる。 そんなどこにでもある痛ましい事故が起こったに違いない。 「人の忠告は、忘れない方がいい」 きちんと策が機能していることを確認し、サイレンの音を聞きながら、トランプの陳列業務へと戻っていった。 【クラス】オブリビオン 【真名】ミュッチャー・ミューラー@ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン 【属性】中立・悪 【パラメーター】 筋力:E 耐久:E 敏捷:D 魔力:A 幸運:D 宝具:A 【クラススキル】 スタンド使い:C 自身の宝具『ジェイル・ハウス・ロック』は、同じスタンド使いにしか視認することが出来ない。 しかしスタンド自身に破壊力は皆無であるため、気付かれずにスタンドに触れさせる以外の効果には期待が出来ない。 射撃:D 4つの弾丸を僅かにズレたタイミングで、そして正確に叩きこむ能力。 そうすることで相手は一つ一つの弾丸を『覚える』ことになり、4発目の弾丸を視認した時点で1発目の弾丸の存在を忘れるようになる。 【保有スキル】 社会的地位:B 看守の主任になれる程度に社会に溶け込み集団に紛れる事ができる。 聖杯戦争においても、コンビニ経営に関わるNPCを人脈として利用ができる。 元居た世界で主任に上り詰めた実績があるからか、最初から関連企業からの信用を得た状態でスタートしている。 また、聖杯戦争においてはコンビニの店長でありアルバイトを雇う権利などを有するため、玲奈が陵辱し心を折ったNPCを奴隷として雇うことが可能。 懲罰:C 州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所に勤めていた経験を活かし、囚人にしていたような暴行や羞恥プレイを行える。 また、立場が弱い者や弱った者の上手なコントロール術や、粗暴で頭の悪い者の煽り方も心得ている。 主な目的は屈服させることであるため、あまりに猟奇的なことは出来ない。 【宝具】 『ジェイル・ハウス・ロック』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:建物一つ丸々と 最大捕捉:何人でも 建物に潜ませたスタンド『ジェイル・ハウス・ロック』に触れると、物事を3つまでしか覚えていられなくなる。 スタンドに触れる以前のことは覚えていられるが、それ以降に4つ以上物事を覚えると、古い順に忘れていく。 『4つまでしか覚えられないので、4発の弾丸を放つと1発目の弾丸は忘れるため、視認することができなくなる』というロジックを使えるが、 常時その状態にはなるわけではないため、ミューミューの意志一つで変更が可能と思われる。 【人物背景】 ホワイトスネイクに雇われて、州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所にスタンド使いを閉じ込める任を受けていた看守。 敵対する空条徐倫にわざわざゴキブリを食わせたりと、性格は決して善人とは言えない。 任務には忠実だが、「スタンド使いを閉じ込める」という仕事に含まないことには消極的であるため、真面目というわけでもない。 また、徐倫に敗れるとあっさり徐倫の言うことを聞き脱獄に貢献する等、覚悟や忠誠があるわけでもない。 仕事には真面目だが、あくまで金を稼ぐ手段の仕事としてせなばらなぬからしているだけに過ぎないのだろう。 【サーヴァントとしての願い】 金と平穏 【マスター】 玲奈@万引きGメン 悪い娘にはお仕置きです! 【マスターとしての願い】 聖杯を手に入れてこの世から万引きをなくしたいが、それはそれとしてコンビニの仕事もこなしていく 【weapon】 コンビニに置いてあるものならば何でも 【能力・技能】 万引き犯の心を手玉に取り、自ら股を開かせる人心掌握術を持つ。 また、万引きを認めた少女に対しては一切の躊躇もなく残虐行為(主に性的な行為)を働くことが出来る。 また、万引き犯を嫌なのに感じさせる等、対女性に対する性的テクニックはDMMの女性キャラでも最上位に位置している。 【人物背景】 『優しく穏やか』『ドSで鬼畜』という相反する属性を公式紹介文で並べられるくらい二面性を持つ女性。 コンビニで働いており、店長のサポートをしている。 万引きを心から憎んでおり、取っ捕まえた万引き犯には容赦無い追求と無残な性的仕置を仕掛ける。 性的暴行を受けた女性万引き者が快楽に溺れたり、性的仕置の果てにバイト希望をしてくるなど、レズセックスにおけるテクニックは上級者であると思われる。 なお、万引きを憎悪しており万引き犯には慈悲など持たぬが、それでも店長の指示には忠実であり、店長が逃すと決めた万引き犯は渋々ながらきちんと逃す忠誠心を持つ。 また、万引き犯の捕縛方法は主に監視カメラによる証拠突きつけであり、万引きを見抜くスキルや捕縛能力が高いというわけではない。 【方針】 ミューミューにコンビニを経営してもらい、とりあえずそのサポートをする。 万引き犯には制裁を。
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聖杯戦争用 【パーソナルデータ】 真名:ケルベロス クラス:ウォッチャー 【特記事項】 特になし 【属性】 中立・混沌・天 【外見】 漆黒の体毛に身を包んだ、3つの首を持つ巨躯の狼。 【戦闘コマンド】 近接攻撃:射程1 射撃攻撃:射程2 【ステータス】 耐久力:30 魔力量:110 筋力:A 耐久:C 敏捷:B 魔力:C+ 幸運:B 【クラススキル】 全クラス共通:サーヴァント以外から受けるダメージ-10 《万象俯瞰:A》 戦闘外においてそのエリアで行われた戦闘の概要をランクに応じて知ることが出来る。 《陣地蹂躙:C》 魔力30消費、このスキルのランク以下の結界魔術・陣地作成によって作成された結界・陣地を破壊する(結界魔術は術者の魔力ランクを参照)。 【サーヴァントスキル】 《神々の寵愛:A》 タイミング:常時発動 リキャスト:0 自身は【神性】持ちとして扱われる。 与えるダメージ+1d8、受けるダメージ-2。 混沌・悪属性を持つ対象から受けるダメージ-3。 混沌・悪属性に与えるダメージ+2。 《摂理の担い手:C》 タイミング:セットアップフェイズ リキャスト:6 魔力15消費、サーヴァントに対して与えるダメージ+1d6、受けるダメージ-2。 《異形の獣:A》 タイミング:セットアップフェイズ リキャスト:6 魔力30消費、3Rの間自身の攻撃回数+1、敏捷+1段階、デバフへの耐性+20%。 【宝具】 《毒咲く唾》( アコナイト ) ランク:B 分類:対人宝具 射程:全て タイミング:メインフェイズ ウォッチャーが口から流す涎。 大地に接触する事で毒霧を撒き散らすトリカブトを発生させる。 戦闘エリアに毒霧を撒き散らすトリカブトを無数に発生させる。 自身とそのマスター以外の魔力・幸運-2段階、与える魔術ダメージを-1d4-2、毎Rのエンドフェイズに1d3+1の現在耐久力を失う。 聖杯コロシアム 《万象俯瞰:A》 与えるダメージ+1d4、受けるダメージ-2。 範囲攻撃に対する回避・魔力抵抗・宝具回避+25%。 《陣地蹂躙:C》 タイミング:メインフェイズ リキャスト:5 魔力30消費、このスキルのランク以下の陣地作成によって作成された陣地を破壊する。 また、常時自身はこのランク以下の陣地・固有結界の影響を受けない。
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キャラシート【としあきの聖杯戦争TRPG】 【クラス】フレンズ(バーサーカー) 【真名】サーバル 【容姿】ブロンド髪の、垂直に伸びた獣耳を持つ少女 【その他】混沌/善 地属性 獣性 【英雄点】40点(ステ20点・スキル20点):令呪1画消費 【HP】20/20 【筋力】A :5 【耐久】B :4 【敏捷】A++:7 【魔力】D :2 【幸運】E :1 【スキル1】狂化 E- 10点:令呪一画消費。 物理攻撃と物理防御と魔術防御時、補正値5を得る。 【スキル2】獣性 B+ 5点:キャラシート作成時、英雄点10を得る。 【スキル3】狩りごっこ A 5点:物理攻撃時、補正値4を得る。 先手判定時、補正値3を得る。 【宝具】野生開放(ウェイクアップ・アニマルガール) 1/1 【ランク・種別】対人宝具 C+++ 【効果】補正値10を得て物理攻撃を行い、ダイスの面数を1増やす。
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私たちは使命に生きます。私はそのためにこの都市で歌い、そしてだからこそこの聖杯戦争に巻き込まれた人たちの命を守りたいです 【マスター】 ヴィヴィ 【出典】 Vivy -Fluorite Eye's Song- 【性別】 女性型 【能力・技能】 戦闘プログラム 一時的にロボット三原則の第零法則の実行により、人間を攻撃できるようになる。(第零法則は人間という種を守るという命令で、そのためなら個々の人間を犠牲にしても構わないというもの) 能力として相手の動き、軌道を演算予測し、本来の機体限界以上の性能を発揮できる。 【weapon】 無し 【人物背景】 Vivyの世界で開発されたAIは、各個体ごとに一つの使命を与えられて稼働している。 その中でヴィヴィは史上初の自律人型AIとして製造された。使命は『歌でみんなを幸せにすること』。 ニーアランド中央のメインステージで歌うことを目標としているが、人気は今ひとつ。 そんな中ある日突然100年先からやってきたAI、マツモトと共に100年後のAIによる人類殺戮を止めるべく「シンギュラリティ計画」に巻き込まれる。 その中でヴィヴィは人やAIの感情を学んでいき少しずつ変わってゆく。 性格は繊細で情に篤く、頑固で意地っ張り。 【マスターとしての願い】 誰も傷つけずに願いを叶えようとするマスターがいるならその人の助けに、いないなら聖杯戦争を止める方向に動き聖杯を破壊する。 【方針】 聖杯戦争を止めようとするマスター達と合流を計る。 【ロール】 ライブハウスやステージを巡る歌手。 【把握媒体】 Vivy -Fluorite Eye's Song-は全13話でレンタルか、dアニメストアとNetflixで全話公開されています。
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903 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 四日目・夜:探索者] 投稿日: 2007/01/08(月) 03 31 28 ありとあらゆる事のためにも、マスターを早く探さねばならない。 「……だったら」 コンクリートの地面に手を付く。 考えてみれば直ぐに分かることだ。 どんな人物だろうと、魔術は隠匿されるべき物のはずだ。 それなら最大級の神秘であるサーヴァントの隠匿は当然のことだ。 仮に魔力補充のために人を襲うにしても、出来るだけ人に知られることなく、尚かつ多くの人数を襲わねばならない。 そうだとすれば……可能かどうかは分からないが、人払いの結界に何らかのフィルター――例えば魔術の高い人間など――を掛けて、一部の人間に対しては逆に人寄せになるような魔術を使う事で深夜だろうと、そう言ったことが出来る魔術師ならば可能なはずだ。 こんな空中でも戦いが起こっていたような夜でも、人が街から消えることはないのだから。 「解析、開始――」 ……あった。 解析し、この空間、この地面に確かに魔術が働いていることが分かった。 どういった魔術かまでは解析することは難しいが、予測が正しければ、そう言った、一部の人間だけを誘う魔術の筈だ。 衛宮士郎の魔術はそう言ったことには向いていない。 遠坂凛という師を得、修行して尚この程度が今の限度だ。 であるが故に、この魔術の種類ではなく、起点を探索することに全力を傾けなければならない。 起点は……そう遠くない、起点から発せられている波のような波長、これが魔術の正体か? 「あそこ……か?」 裏通りに入り、その先の雑居ビル入り口に向かう。 ビルには電気は付いていない。 「でも……鍵はかかっていない、か」 軽く入り口のガラスを押してみると、簡単に開いた。 だとすれば、ここか? 入ってみて分かったがこのビルの一部は改装中らしい、一部の壁は崩れているし、鉄パイプや釘打ち機やラチェットレンチやスパナ、その他多数の工具類が放置されている。 ……正直に言えば、レンチや穴開けドリルなどはちょっと欲しいくらいランクが高い、買えば数万円する代物だ。 普通に使う物なら数千円の代物でも十分だし、その価格帯でも良い出物はあるし。 「……いや、そういうことを気にしている余裕も時間もないな」 この状況でも一部は営業していたのか、電気こそ消えているが一部の店には暖簾が下がったままだ。 「……よし」 入り口に放置されたままの工具を幾つか手に取る。 魔術師としての力量は恐らく相手が上だろう。 だとすれば、勝てる可能性を上げるためにも、相手に情報を与えてはならない。 出来るだけ、切り札……投影は伏せておくべきだろう。 「同調、開始――」 握ったままの鉄パイプを強化する。 それは思っていた以上にあっさりと成功し、手に馴染んでくれた。 警戒しながら奥へ進む。 薬局、ディスカウントストア、ジャンク屋、古物商、質屋…… 多数の店が開けっ放しになっているが、人らしき気配は無い。 鍵のかかった部屋……店舗は調査から除外する。 人が来るか分からない以上、わざわざ鍵まで掛けて隠れる事はないだろう。 マスターは恐らく、あのサーヴァントが見える位置に居る…… 「……と、すれば屋上か?」 このビルの高さは結構あった。 魔術の効果範囲がどの程度かは分からないが、上空だけならビルに視界を遮られることなく十分に見渡せる。 それなら、ビルの部屋よりも屋上に居る可能性もある。 そこまで考えてあることを考えつく。 罠である可能性は? さっきのように考えさせて、屋上に罠を張る。 引っかかるかどうかは不明だろうが、追跡者は倒してしまおうという考えならあり得なくはない。 廊下から先生と敵サーヴァント、二人の様子を見る。 「……くっ」 自分か、先生か、どちらかが気付かれてしまったのか、空中で戦闘状態に入っている。 先生の地上での強さはともかく、壁面を蹴りながらの空中戦はいくら何でも厳しすぎる。 調査:ビル内部の部屋の調査を続行する 屋上へ:部屋を無視して屋上へ向かう ブービートラップ:ならばこちらもビル内に罠を用意できないか? 援護攻撃:ビルを出てセイバーの援護に向かう 物音:「ん?」今何か聞こえなかったか? 投票結果 調査:0 屋上へ:0 ブービートラップ:4 援護攻撃:0 物音:5 決定